校長挨拶



充実した国際理解教育の環境を活かそう



校長 倉本武雄

 都立で初めての第二外国語の必修選択(中国語/韓国語)が、1年次で実施されています。中学 一年で英語を学んだ時のような感覚でしょうか?挨拶や簡単な会話ができるようになることを目標 に、楽しみながら学んでください。

 6月21日(水)アメリカ全土から45名の高校生が杉総に来校しました。5・6時限目の授業と並行して歓迎レセプションが行われたため、同時間に英語の選択授業を受けている生徒が参加しまし た。生徒同士はあっという間に親しく話し始めるという光景に驚きました。圧倒された私も引率の先生と、最初は片言の英語であいさつし、きっかけを作りました。が、その後の話はほとんど日本語での会話でした。本当に日本が大好きな先生や生徒さんたちでした。放課後は、茶道部・和太鼓部・ダンス部(弓道部も予定はあったが雨で中止)との交流と、その後の国際交流委員の生徒との交流で本当にわずかな時間であったにもかかわらず、大変名残惜しいお別れになりました。


杉総は、留学生も多いし、海外からの訪問もある。学校で学んだ語学が現場で実践できる。オーストラリアや台湾との姉妹校の交流や、積極的に留学できる環境もある。杉総は本当にグローバルな人材を育成していると思います。この杉総の強みを、生徒の皆さんは積極的に活用して下さい。将来どの道に進んでも、必ず役に立ちます





平成29年7月24日

 


一歩踏み出し、心と体で感じ、興味・関心を高めよう。                     



校長 倉本武雄


  バドミントン部が女子団体で東京都第4位となり群馬県前橋で行われた関東大会に出場しました。1回戦は栃木県第2位の強豪県立宇都宮南高校との対戦で、「勝つのは難しいから、悔いのない試合をしてほしい。」と願っていました。しかし実際は、最初のダブルスは出だしリードしましたが、惜しくも接戦で負け。次のシングルスは、1ゲーム目を奪い勝てそうなムードでしたが、2ゲーム目3ゲーム目を大接戦で落とし、チームの敗退が決まりました。もし、応援に行かず、結果だけ聞いたら0-2の負けとあっさり受け入れたかもしれませんが、実際に観戦した私の気持ちは「悔しい、勝てたもっと上にいけた。」そしてバドミントン部の次の大会に期待が膨らみました。

 女子バスケット部の関東大会への出場を決める都立広尾戦も同様です。結果は10点差程でしたが、第1ピリオドの出だしだけの差で、あとは五分の戦いでした。私の気持ちは「悔しい、勝てた。関東大会に出られた!」です。実際に観戦すると、生徒の頑張りに興奮し、生徒のレベルの高さに感動し、何より元気をもらいました。

 実際に見たり体験したりすることは、ただ聞いただけのこととは、本人の受ける影響が 大きく違います。
総合学科高校の根底に流れるのは、この理念です。何かに少しでも関心があれば、一歩踏み出し、心と体で感じ、さらに興味・関心を高めましょう。そのことが、 今後の皆さんを大きく成長をさせてくれます。



平成29年6月26日

 

                   夢を作り、夢を育て、夢を将来に繋げ!杉総生!

                                                         校長 倉 本 武 雄


 4月の桜の花を見上げながらの通勤から、今はつつじが綺麗に咲きそろい、杉総は本当に美しい環境にあるなと毎日気持ちよく学校に来ています。

 先日、1年次の「サクセスプランニング」の授業で、校長から「杉総のキャリア教育」について講話しましたので、概要をお話しします。

 AIやIoTの進化で、30年後には、今ある仕事の半分はなくなるという時代が来るといわれています。世の中が便利になる半面、仕事が減ってしまうかもしれません。
そんな時代を生き抜く教育として、総合学科が誕生しました。1年次で夢を作り、2年次で夢を育て、3年次で夢を将来に繋げます。夢というのは、10年後20年後の一番良くなっている自分です。夢の実現には、より高い希望進路を掲げて、どのような道を進むのかを調査研究します。1年次には、進路に必要な科目を選択し自分だけの時間割を作成するのです。
ここで大切なのは、苦手科目でも、将来に必要な科目なら絶対に選択しなければなりません。1年次に自分だけの時間割をしっかり 考え抜いた人は、杉総の3年間で必ず成長します。

 自分で(主体的に)しっかり考え、行動することで、@課題解決力Aコミュニケーション 能力Bプレゼンテーション能力Cチームワーク力等が身につきます。杉総での努力は絶対裏 切りません。皆さんの成長を期待します。




平成29年5月23日

                  ― 志を世界に繋ごう 自己実現・国際人・生涯学習 −

 

 

                                                            校長 倉 本 武 雄


 ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 4月に第5代校長として着任いたしました倉本武雄です。どうぞよろしくお願いします。

 本校は、平成16年に、都立で3校目の総合学科高校として開校しました。東京のほぼ中央に位置する閑静な住宅街にありながら、自然豊かな環境にも恵まれています。本校のシンボルともいえる「桜」は本当に美しく素晴らしいです。

 国際理解教育には特に力をいれています。毎年、海外からの留学生を受け入れ、日常的に国際交流ができる環境があります。留学する生徒も複数います。オーストラリアのフォートストリート高校や台湾の内思高級工業職業学校とは姉妹校提携を結び、ホームステイや修学旅行で訪問したりしています。1年次生全員が必修で第二外国語(中国語か韓国語)を週1時間学び、簡単な挨拶や会話ができるようになります。2年次では台湾修学旅行を実施しています。

 キャリア教育も充実しています。本校は5つの系列(【人間・社会】【科学・環境】【メディア・文化】【ビジネス】【国際コミュニケーション】)を用意し、多様な進路に対応すべく多彩な選択科目を設置しています。自分の進路にあった自分だけの時間割を作成し、希望進路の実現につなげる仕組み(サクセスプランニングや課題研究等)ができています。自分の個性を見つけ、伸ばし、最良の自己実現が目指せる学校です。

 生徒は、合唱祭や文化祭、体育祭、スピーチコンテストなどの学校行事や部活動にも熱心に取り組み、大変盛んです。これらの活動を通してさらに充実した高校生活を送っており、明るく元気な学校を作り上げています。

これまでの本校の取り組みを引き継いで、生徒が輝き成長し、地域に愛される学校を目指して頑張る所存です。
よろしくお願い致します。   



平成29年4月1日


             

<式辞>


 第11期生の皆さん、卒業おめでとう。そして、保護者の皆さまにも心からお祝いを申し上げます。3年間、本校の教育方針にご理解とご協力をいただき、まことに有難うございました。また、ご多用の中、ご臨席いただきました来賓の皆様方にも、心より御礼申し上げます。 卒業生の人数は、第11期生を含め2476名になりました。それぞれの卒業生がそれぞれの思いを抱いて杉総から飛び立っていきました。皆さん、杉総での三年間は充実していましたか。

 杉総にはたくさんの特色ある教育活動がありますが、大きな特色の一つとして、ユネスコスクールの精神を具現化しているということがあります。ユネスコスクールには、世界182か国で約1万の学校が加盟していますが、都立高校では、本校と三田高校の2校のみが認定されています。杉総の教育の中にユネスコスクールの精神が強く反映されていることを、旅立っていく皆さんに、あらためてお話しさせていただきます。ユネスコスクールの目標は、グローバルなネットワークを活用し、世界中の学校と交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い 、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指すことです。その実現のための教育を、「持続可能な開発のための教育」と言い、私たちとその子孫が、この地球でずっと生きていけるように、課題を見つけ、解決方法を考え、立ち向かい、解決できる人材を育てることを目指しています。

 皆さんは、杉総生として、あえてそのことを意識したことは少なかったかもしれませんが、杉総で体験したサクセスプランニングや課題研究、特色ある科目、部活動や行事、海外修学旅行に代表される国際理解のための活動などを通して、自分と向き合い、自分の個性を知り、他者を理解するための学びは、まさに持続可能な社会を築いていくための学びだったのです。

 特に、杉総の国際理解教育では、国や宗教・人種、精神的・身体的な違いを超えて、それぞれを個性ととらえ、その違いを尊重し、認め合い支え合いながら、平和で豊かな持続可能な社会を実現し、それを支える人材になってほしいということを強く意識したプログラムになっています。すでに2年次では中国語、韓国語、スペイン語、フランス語を選択科目として設置し、多くの生徒が学んできました。4月からは東京都で初めて、第二外国語を必修にし、中国語か韓国語を1年次で全員が学べるようにしたのも、そういう大きな流れの一環です。近隣諸国との友好関係の構築は、持続可能な社会を作っていく上で非常に大切な課題です。しかし、最近のニュースを見て皆さんはどう感じているでしょうか。世界各地でのテロの頻発、自分達の利益だけを考えた指導者、行き過ぎた保護主義を掲げ右傾化傾向の強い政党の台頭、宗教や人種に対する差別的な扱いなど、世界人類が平和に共存していくうえで、多くの問題が一気に表面化しつつある時代になってきたと感じます。私は、世界が持続可能な社会とは逆の方向に向かって進んでいるという切実な危機感を感じています。

 私の好きな歌に、シンガーソングライターの中島みゆきさんが作った「地上の星」という歌があります。
  風の中のすばる 砂の中の銀河
  みんな何処へ行った 見送られることもなく
  地上にある星を誰も覚えていない        
  人は空ばかり見てる
  つばめよ 高い空から教えてよ 地上の星を
  つばめよ 地上の星は今 何処にあるのだろう
                         こういう歌詞です。

 私には、ここにいる卒業生の皆さん一人一人が美しく輝く地上の星に見えます。保護者の皆さんもまた、とても美しく輝いています。韓国、北朝鮮、中国、ロシア、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシア、タイ とても全部は言い切れませんが、すべての国々で一生懸命生きている人々も同じようにキラキラ輝く地上の星です。この美しい地球を、地上で懸命に生き、輝いている美しい星々を、絶対に消してはなりません。

 卒業後、皆さんの中には、自らが先頭に立って積極的に様々な分野で行動する人もいるでしょう。選挙権を使って自分の代わりに行動してくれる立候補者に投票し、思いを託すのも、持続可能な社会を実現するための立派な行動です。

 皆さんは、これから多くの挫折や失敗、喜びや悲しみを経験するでしょう。人生に無駄なことは何ひとつありません。いつも前向きに、プラス思考で、持続可能な社会の一員としての精神を持って、生きていってください。

 第十一期生の皆さんの未来が明るく、希望に満ちたものになることを信じています。平和で安心してみんなが暮らせる素敵な社会を私たちの手で作っていきましょう。
以上、校長の式辞とさせていただきます。




平成29年3月11日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

杉総のキャリア教育と国際理解教育を通して育てたい生徒像について


 杉総の目指す学校を一言で表すと、「キャリア教育」を生かしながら、「志を世界に繋ごう 自己実現、国際人、生涯学習」を実現することです。

 「キャリア教育」とは、自分の個性を生かしつつ、自分の生き方や将来の職業選択を視野に入れ、今学ぶべきことは何か、これから学ぶべきことは何かを考え、体験的・経験的な学びを通して目標とする生き方の実現を目指す教育です。
                                                【 H28-5月に姉妹校提携をした
                                                 台湾の内思高級工業職業学校のタン校長先生と】

 「志を世界に繋ごう 自己実現、国際人、生涯学習」とは、「自己実現」:生徒の自己理解を深め、個性の伸張を図り、最良の自己実現を目指す学校 「国際人」:自他の生命やルール・マナーを尊重すると共に、優れた国際感覚を持ち世界を舞台に活躍できる人材を育てる学校 「生涯学習」:主体的に生きる「力」を身につけ、生涯を通じて学ぶ意欲と能力を育む学校 の実現を目指すとことです。

 杉総は、その実現に向けてユネスコスクールに加盟しています。世界的に見ると、182か国で約10,000 校、都立高校では三田高校と杉総の2校が加盟しています。ユネスコスクールの目標は、ユネスコアジア文化センターのHPによると、『グローバルなネットワークを活用し、世界中の学校と交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い 、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指しています。』となっています。

 杉総は、総合学科高校の特色であるキャリア教育と、豊富な国際理解教育メニューを活用しながら、国や宗教や人種、そして精神的・身体的なハンディのあるなしの違いを超えて、それぞれを個性ととらえ、それぞれの個性を尊重し、認め合い、皆で支え合いながら、平和で豊かで持続可能な社会の実現を目指し、それを支える一員となれる人材を育てていこうとしています。平成29年度からは、第二外国語(1年次生全員が、中国語か韓国語を選択)を必修にし、ますます学校の特色化を進めています。

杉総生諸君、そして、未来の杉総生の皆さん、素敵な社会を作っていきましょう!

以上

平成29年2月28日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

タイムマシンで「30年後の未来」を見ると!


 今月はタイムマシンで30年後の未来を覗いてみましょう。皆さんが50歳ぐらいになったとき、世の中はどのくらい変わっていると思いますか? 私の小学校低学年の頃には家に冷蔵庫もテレビも電話もありませんでした。台所は土間で、お風呂やご飯は薪で炊いていたんですよ。 皆さんには信じられないかもしれませんね。 
未来の出来事予想を、野村総合研究所が未来年表として出しています。いくつか抜粋してみました。

2030年頃までに

○リニア中央新幹線(東京から名古屋間)開通 ○日本の労働力人口が約900万人減少して5683万人に ○火星の有人探査が実現 ○人工知能やロボットによる効率化・自動化が進み、雇用が735万人減少 ○北海道新幹線が全線開通 ○生涯未婚率が男性で約3割、女性で約2割に達する ○年間訪日外国人が6千万人に ○次世代自動車が新車販売の70%に ○中国の人口が14.2億人でピークに ○インドが生産年齢人口で中国を抜き世界1位に ○気候変動によりマラリアやデング熱などの感染症が深刻化し、年間死亡者数が25万人増加 ○日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等に代替可能に ○空き家数が1170万戸、空き家率は30.4%に ○火星探査機打ち上げ ○木星の衛星エウロパに無人探査機打ち上げ

2030年頃〜2050年頃

○沖縄県以外の全ての都道府県で世帯数が減少 ○温室効果ガスの排出量が2008年比で80%削減 ○CO2を排出しない水素供給システムが確立 ○スイスが原子力発電所全廃 ○中国が設備容量で世界1位の原子力大国に ○世界の人口が97億人。65歳以上人口は2015年の2.6倍の16億人に ○世界の子供人口(4歳以下)の約40%をアフリカ大陸が占める ○自動運転の市場規模が約4兆6千億円規模に ○介護用ロボットの市場規模が2770億円に達する

 これらの予想数値は、すぐにはぴんと来ないかもしれませんが、何となく未来を想像するヒントになりますね。
ここには書いてないことがたくさんあります。自分の住んでいる町がどうなっているのか。交通手段がどうなっているのか。電話やインターネットはどうなっているのか。世界の中で日本はどんな立場に立っているのか。自分がその頃どんな生き方をしているのか。自分がどうなっていたらいいなと、思いを巡らせてみましょう。そのことが、いろいろな変化に対応できる準備につながっていくと思います。


以上

平成29年1月30日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 アクティブラーニングと個性そして社会

 本校は、平成28年度からアクティブラーニング推進校に指定されました。
アクティブラーニングを活用した授業というのは、従来行われていたような先生が一方的に生徒に伝えるという授業ではなく、生徒が自ら積極的に学ぶ姿勢が育つような授業です。
授業の仕方はいろいろな方法があるので、本校の先生方は勉強会などをしながら研究を重ねているところです。みなさんが、学生時代だけでなく生涯にわたって自らの意思で意欲的に学べる人になれるよう頑張っています。

 さて、それでは、どうやったら自分から学べるようになるかということですが、まずは自分の興味を持っている分野について学ぶことが一番です。たとえば、部活動でサッカーをやっているとしたら、いい選手になりたい、うまい選手になりたいという目標を持っていますね。であれば、どうやったらドリブルがうまくなるのか、どうやったらシュートがきめられるのか、その時のフォームは、相手との距離は・・・・等々、どんどん深くまで一生懸命研究すればいいのです。

 インターネットでもいいし、本を読んでもいいし、テレビで選手の映像を見て研究するのでもいいですね。研究したら実践し、工夫し、ダメならまた研究する。分かったと思っても、また分からなくなる。その繰り返しが大切です。研究の深さは、こうなりたいという気持ちに比例するかもしれませんね。この時のあなたは、自分から学ぶ人(アクティブラーナー)になっています。

 ところで、今回のタイトルには「個性」がついています。みんなと同じように学んでいたら、個性は育ちにくいですよね。自分の興味のあること、自分の好きなことに打ち込み、自分の足りないところを何とかしようとする行為は、きわめて個人的で個性的です。
先ほどのサッカーの例でいえば、守備を向上させたい人、体力をつけたい人、ボール扱いを向上させたい人など、目標は人によってみんな違います。それぞれが、自分の課題を見つけ、それを改善するために突き詰めて研究していったら、結果として、とても楽しい集団になります。そして、その集団はとても強くなると思いませんか。
それぞれの個性が互いに刺激し合い影響し合って全体として非常に魅力的な集団になっていくはずです。
社会全体についても同じことが言えます。それぞれが、それぞれの前向きな課題を見つけ、楽しみながら研究している人がたくさんいる社会。いいと思いませんか?
私はそういう社会って素敵だなと思います。
みなさん、好きなことを、もっともっと追及してみましょう!

以上

平成28年12月20日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

「ユニバーサルデザインの行き届いた社会」と「持続可能な社会」と「個性」


 今月は、三つのことを関連付けてお話ししてみたいと思います。 2

 「ユニバーサルデザイン」とは、障害の有無、年齢、性別、国籍、人種等の違いにかかわらず多様なすべての人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方のことです。
ユニバーサルデザインが行き届いて整備された社会とは、全ての人にとって使いやすいように配慮された人にやさしい社会ということになります。お互いの違いを認め合い、尊重し合うことが大切です。

 「持続可能な社会」とは、平成18年の閣議決定で、「健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域にまでわたって保全されるとともに、それらを通じて国民一人一人が幸せを実感できる生活を享受でき、将来世代にも継承することができる社会」、と定義されています。環境だけでなく、いろいろな人々が狭い地域から世界規模でも、幸せな生活が続けられる社会です。この社会もまた、人と人、人と自然、国と国、お互いの違いを認め合い、尊重し合うことが大切です。
 

 この二つの考え方は、皆が同じようになろうと言っているのではありません。
むしろ、皆が同じようになったら社会の発展も力強さも育っていきません。
むしろ、そういう社会だからこそ、「個性」が更に大切になると思うのです。

 最後の「個性」は、皆さん一人一人が持っているいろいろな特徴であり、性格であり、体質であり、考え方、です。
自分でプラスと感じているところも、マイナスと感じているところも、すべて個性です。
小さな社会も、大きな社会も、様々な個性があるからこそ強いのです。様々な個性がそれぞれの特徴を臆することなく存分に発揮し、その行動が尊重され、一人一人がユニバーサルデザインや持続可能な社会の実現のために、お互いの違いを認め合い尊重し合うことで、みんなにとって優しく思いやりのある力強い社会が実現できるのです。
 
互いにカバーし合うということではなく、さらに前向きに、特徴ある個性を出しやすく発揮しやすくできる社会をみんなで作っていきましょう。私は、杉総の国際理解教育も、第二外国語の必修化も、キャリア教育も、そういった考え方に基づいて取り組んでいます。

以上

平成28年11月22日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

留学生に剣道を体験してもらいました。

 現在、杉総には、台湾から3名、オーストラリア、フランス、イタリア、メキシコからの留学生が来ています。1学期には、デンマークやタイの留学生も来ていました。
 さて、そんな留学生の中から、男子3名(台湾のキョ君、ケビン君、フランスのアルチュール君)に剣道を体験してもらいました。講師は私が担当です。
 体験メニューは次の通りです。 
 (1)武道は礼儀が大切です。座っての礼と、立って竹刀を持っての礼の仕方。
    正座はみなさん苦手です。とくに武道場は板の間ですから。 
 (2)すり足の仕方。 
 (3)基本となる中段(正眼)の構えを練習。
 (4)素振りの仕方。みんな呑み込みが早く、思ったよりも上手にできました。
 (5)小手、面、胴の打ち方。まずは私が見本を見せ、道場の端から端まで、私が先頭になり留学生が後から真似をしてついてくると    いうやり方で練習しました。
 (6)実際に小手→面→胴を連続して打つ練習。私を含めた3人が竹刀で小手、面、胴を打たせる場所に構え、一人ずつ順番に打    ち込み練習をしました。実際に竹刀を使って打ち込むと竹刀と竹刀が交わる音がするのですごく楽しそうでした。

 2時間弱、留学生とともに過ごしましたが、みんな日本への興味関心が高く、日本の文化にも大変興味を持っているようでした。
 稽古の合間に床に座っていろいろな話をしました。授業は一日に何時間? 学校から帰ったら何をして過ごしている?
 国で盛んなスポーツは? 日本ではどこに行った? 日本の好きなところは? 等 。
 日本とはずいぶん違うことも多いので相手の国を理解するきっかけにもなります。
 杉総生の皆さんの中で、留学生にこんな体験をしてほしいと思う人は、ぜひ、国際理解担当の先生に声をかけてください。
 せっかくの留学生、皆さんも質問攻めにしてぜひ交流を深めてください。留学生も喜びますよ!

以上

平成28年10月25日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 

「決められる自分、迷わない自分を作るために。実現したい未来を具体的に描きましょう!」


 あなたは何か決めなければならない時に迷ってしまい、なかなか決められないということはありませんか。何を基準に決めたらいいのか分からない。周りの意見に流されてしまう。多くのみなさんがそういう経験をしているのではないかと思います。判断する、決めるということは、自分が何をしたいのか、何を目指したいのかをはっきりさせることです。今回は、「決められる自分を作るために」について書いてみます。
 今年から選挙年齢が18歳に引き下げられました。自分の住んでいる区市町村長の選挙で誰に投票しようか決めるプロセスを例にとって考えてみます。
 区市町村長は自分の住んでいる町作りの中心人物であり、候補者の中から自分が一番なってほしい人を選ばなくてはいけません。そこで、以下の手順で考えてみます。

 (1)理想とする完成形を描いてみる。この場合、自分が住んでいる区市町村の理想の姿を思い描くのです。例えば、バリアフリーやユニバーサルデザインが整っていて、駅や歩道、建物などいろいろな施設が全ての人にとって使いやすく暮らしやすい。スポーツ施設や文化施設が充実していて休みの日にはいろいろな催し物が開催されている。病院が充実している。公園や歩道に緑が多く散歩したくなる。商店街に活気があり、老若男女が集まり笑顔が絶えない。駅や公共施設に行くまでのバス路線などが充実していて便利。保育施設などが充実していて待機児童がゼロ。などなど、自由に想像し自分の住みたい理想の区市町村を描いてみます。

 (2)理想と現実の違いを整理してみる。自分の描いた区市町村と現実を比べて、どこが満たされていて、どこが弱いのかを分析してみます。そのためには、自分の町をしっかりと調べなければなりません。何を決定するのにも正しい事実の把握はとても大切です。

 (3)実現するための方法を考える。自分の立場で何ができるかを整理する。いろいろな意思決定をする場合、立場によってできる事やできないことがあります。今回の例では投票なので、必ず選挙に行き、自分の理想の町を実現するために一番やってくれそうな政策を述べている候補者に投票します。そのためには各候補者の政策を調べなければなりません。理想を実現するために、将来的には自分が立候補するという選択肢もあります。
どうでしょうか。決める事って、手順は意外に簡単だと思いませんか。あとは、自分の理想をどの程度実現したいのかが大切です。本気度・覚悟です。自分ができないときは誰かに託すという選択肢もあります。選択肢は無限にあります。大切なことは理想を実現するために、とにかく何か行動することです。

最後に宿題です。時間があるときに、ぜひ下記のようなことを考えてみて下さい。練習になりますよ。
   @自分の所属する部活動の理想の姿を描く。

   A自分の所属するクラスの理想の姿を描く。

   B自分の20歳の理想の姿を描く。

   C自分の30歳の理想の姿を描く。

   D自分の50歳の理想の姿を描く。

   E自分の部屋や机周りの理想の姿を描く。

杉総生諸君、まずは、具体的に実現したい理想を描くことが何よりも大切です。今、決めなければならないことがある人は、このような方法で考えてみてはどうですか。ぜひ参考にしてください。

 

以上

平成28年9月29日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 

校長先生も「韓国語を勉強しています」の巻

だいぶ前になりますが、韓流ドラマや映画が日本で流行っていた頃、妻は冬のソナタや太王四神記のヨン様に憧れ、私もトンイや朱蒙(チュモン)、JSA等、韓国のドラマや映画が大好きになり、レンタルビデオを借りてはよく見ていました。家族や親友、そして人と人の結びつきをすごく強調する韓国映画はシンプルで分かりやすくとても共感し惹かれるものがありました。

 

 その後、韓国から日本への政治的なバッシング等がマスコミを通じて報道されるようになった時期があり、あんなに好きだった韓国ドラマが始まると、すぐにチャンネルを変えてしまうほど、だんだん韓国が嫌いになったのです。第二外国語を積極的に推進している私にも、実はそんな頃がありました。 そして、昨年の8月に国際文化フォーラムの企画による、韓国そして日本で隣語教育に取り組む学校の校長同士が交流するという「日韓校長交流プログラム」がありました。

 

 休暇を取って実費で行くというプログラムでしたが、それまで韓国には行ったことがなかったので、実際の韓国の人たちや学校のことが知りたくて参加することにしました。また、教育者たる者、いつまでも韓国を嫌っていてはだめだという反省の気持ちも強くありました。


 どうせ行くからには、少し韓国語を勉強してみようと、週に1回、夜8時から9時まで学校から1時間ちょっとの場所にあるスクールに通うことにしました。1年たった今も続いています。単語を覚える宿題がでたり予習をしたりするので、休みの日の午前中は自宅近くの喫茶店に居座り頑張って勉強しています。自分で作った単語帳を使って通勤電車の中で勉強しています。もともと読書が大好きなので、小説を読みたくて仕方ないのを我慢しながら韓国語の勉強をしています。スクールの当日は、早めに行けた日は、喫茶店でスパゲッティを食べながら直前の予習をしてから行くのがお決まりのパターンです。スクールでは韓国人の若い先生とマンツーマンでテキストを使いながら文法を習いつつ会話練習をしています。やっと1年かけて何とか1冊文法書が終わったので、今は会話上達のためのテキストを使って会話練習を重点的にしています。何を質問されているのか分からずしょっちゅう聞き返し、ケンチャナヨ(大丈夫)を連発しています。自分でもうまく話せたときはすごく満足感があります。レッスンの合間に韓国の話を聞いたり、韓国人の気質や習慣の違いを聞いたりすることもあります。日韓戦のサッカーがあるときなどは大いに盛り上がります。そのような縁もあって、韓国の人達と何人か知り合いにもなりました。そこでわかったことは、政治は政治、普通の人々は中国の方もそうですが、とても親日の人が多いということです。また、日本語だけでなく英語はもちろん、ドイツ語やフランス語なども相当高いレベルで話せたりする人も結構いることを知りました。すごいなと感心させられます。すごく勉強熱心なお国柄だと思います。とても尊敬しています。私も頑張らなきゃと刺激になります。直近の目標がないと頑張れないので、検定を受けてみようかなとか、いつか留学もしたいなとか、ひそかに思っています。会話を学ぶことを通してその国に興味がわき理解が深まります。何より外国人と知り合いになれるって楽しいです。世界が広がります。

 杉総生のみなさん、まずは英語で留学生や外国人の先生に積極的に話しかけ、いろんなことを聞いてみましょう。オリンピック、パラリンピックを控え、これからますます隣国の人々が大勢日本にやって来ます。会話力をつけることで、知らなかった人に出会え、知らなかった国のことを知り、新しい自分が見えてくるかもしれません。新しい出会いは間違いなく人生を豊かにしてくれます。ほんのちょっと頑張ってチャレンジしてみましょうね!

 

以上

平成28年7月20日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 


毛丹青(マオタンセイ)先生の講演会から

 

 「日本が好きな、中国を知ろう」というテーマで、神戸国際大学教授であり、中国で10万部以上売れている日本の紹介本「知日」のメイン執筆者であった毛丹青(マオタンセイ)先生の講演会が、6月11日(土)、杉総の視聴覚室で行われました。多くの皆さんに参加していただきありがとうございました。


 この講演の中で、日本では中国からの観光客の爆買いばかりが注目されているが、注目すべきはその裏にある。例えば日本旅行に参加できなかったお子さんがお土産を頼んで買ってきてもらい、それを使いこなしながら実に多くの影響を受け、多くのことを学んでいるというのです。中国の皆さんは、お金を出して日本の文化を味わい消費しているとも言っていました。いま、中国で新築されるマンションには、和室が多くなっているそうです。コタツがリモコンのボタン一つで下から出てくるシステムもあるそうです。人と人との結びつきが強く家族の触れ合いを大切にする中国の文化に、日本の文化を巧みに取り入れた例です。このように、政治上の課題はありますが、中国では非常に多くのみなさんが、日本の文化に興味を持っているということでした。昨年は約500万人の中国人が日本にやって来ましたが、4年後には1000万〜2000万人になるという試算があるそうです。毎年それだけの人が中国から日本に来て、日本の文化や商品から多くのことを学んでいるのです。また、中国から来ているある留学生は、豆腐作りに適した水が軟水か硬水かがわかり、製造工程を図に書いたりできるそうです。そのくらい研究しているという例です。

一方で日本人は海外への意欲が減少していると指摘してくれました。ウォークマンを作り上げたソニーの森田会長にスティーブジョブズが憧れ、何度も来日し、ついにはアップル社を世界のトップクラスの企業に育て上げた例をあげながら、今は世界に進出するという強い意欲を持った日本人が減っていると指摘してくれました。

 杉総で力を入れている国際理解教育は、ただ単に外国に行く、外国の高校生と交流することだけが目的ではありません。高校生の多感な感性が、その交流や見たこと聞いたことから何かを感じ、課題を見つけ、その後の生き方につなげていってほしいと思っているのです。日本人は、日本の伝統的な素晴らしさを大切にしつつも、どんどん進化していかなければなりません。そうあって初めて日本の素晴らしさが世界に影響を与えるのだと思います。杉総生諸君、何にでも興味を持ち、何にでもチャレンジし、未来の自分を見つけてください。がんばりましょう!

 

以上

平成28年6月29日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 


平成29年度入学制から第二外国語(中国語か韓国語を選択)を必修科目にします。

 杉並総合高校では、平成29年度の入学生から、1年次に全員が第二外国語(中国語か韓国語のどちらかを選択)を学ぶことができるようになります。第二外国語だけの必修選択は東京都で初めてです。週に1時間なので難しい表現は無理ですが、楽しく学びながら、簡単なあいさつや会話が聞き取れたり、話したりできるようになります。

杉総のキャッチフレーズは、「志を世界に繋ごう 自己実現・国際人・生涯学習」です。その実現のために特に力を入れているのが、「国際理解教育」です。これまでの取組が評価され、平成28年度は、東京都の「姉妹校交流推進校」にも選ばれました。

韓国語と中国語という第二外国語だけの必修選択を東京都で初めて実施する理由は、次のとおりです。

  @中国、台湾、韓国は、日本に一番近い外国(隣国)であり、ビジネスパートナーとしてもいろいろな交流の相手国としても重要で

    あり、将来的に、仕事等で簡単な会話力が必要となる可能性があります。また、訪日客のベスト3がこれらの国々です。

  A杉総は、多くの外国の高校生を招いて交流していますが、中国、台湾、韓国からはほぼ毎年杉総を訪問してくれており、

    国際交流をする機会が多いことがあげられます。B平成27年度から2年次で台湾修学旅行を実施しています。


今月の17日(火)には、修学旅行で交流する台湾の内思高級工業職業学校の生徒が30名本校を訪れ、姉妹校の提携を結びました。


東京都教育委員会は平成28年度の主要施策の中で、個々の能力を最大限に伸ばす方策の一つとして、世界で活躍できる人材の育成を掲げています。

 活発な国際交流をより有効な教育活動にするために、また、コミュニケーション力向上・異文化理解向上のため中国語か韓国語を全員が学び、将来に生かせる学校にしていきます。

 

以上

平成28年5月20日
東京都立杉並総合高等学校長  若林 直司

 



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